アップするのがとても遅くなってしまい申し訳ありません。深圳ではVPNが繋がらず、香港でもなかなかログインできないという状態で、ここまで遅くなってしまいました。 合宿で沢山の方にお話して頂いた内容の詳細はそれぞれの班や4年の鈴木さんがみっちり詳しく書いてくれている(本当ありがとう!)ので、私はその話を聞いていて思ったことや合宿を通して考えたことをありのままに書いていきます。
Segmakerにて(深圳に関して)
Segmakerにて伊藤さんから深圳についての基本的知識を植え付けてもらい、荒井さんやZiyanさんからは会社の紹介や事業について教えていただきました。 深圳にてイノベーションが生まれる要因は
1サプライチェーン・エコシステム
2オープンモジュール化の構造
3クリエイティブとマーケティング能力を付加する仕組み
であるという。なるほどわからん。。 ただ、去年の合宿地北京と比較してみると、街にはガジェットの部品屋が大量に立ち並び、近くには工学系の大学や香港空港があり若い人も多く、Segmakerのようにすぐにもの作りに取り掛かれる環境があることが見て取れました。どうやらそういった深圳の特殊な環境がイノベーションを生み出す仕組み(構造)になっているようだ。
ここで浮かぶのは、そもそもなんで深圳にはこれだけものづくりがしやすい環境やサプライチェーンが整っているのか、という疑問。 調べてみると、どうやら深圳という街はもともとメイドイン香港の下請け部分を担う街だったらしい。そうして作ったものを香港から輸出、また作り輸出、という感じにサプライチェーンの下地が形成されて行き、今の形が出来上がったようだ。日本にも同じような街があるだろうか、と考えてみたが、秋葉原でもあそこまで大量に部品屋が立ち並んでいる所を見たことがないし、日本にも似ている街はあれど同様に機能している街は無いんじゃないかなぁと思った。そういった特殊な環境が、荒井さん、塩入さん、胡さんのBABAJOKERやInsta360のようなスタートアップやベンチャーを多く生み出す仕組みになっているようだ。Insta360にしてもBABAJOKERにしても、メンバーは20代くらいの若い人達が中心らしい。若い人達だけで何かを作ったり売ったりというのが深圳では当たり前のようで、Ziyanさんに至っては18歳にしてあのリュックをすでに事業に乗せる段階まで来ている。アイディア次第でいくらでも事業を起こせるのが深圳という街なのだろう。
ECBB飯田さんのお話
ECBBの飯田さん(以下カズマさん)から物を売ることに関して熱くレクチャーしていただいた。そこで何度も聞いた「情熱」、という言葉。中国でビジネスをするにはとにかく中国人に負けない心意気、積極性が重要だという。カズマさんはその重要性をあくまでビジネスという観点から話してくれたが、今の日本の若者(というか自分?)全般の問題点もこれに近いんじゃないかなぁ、と思った。例えば、今回の合宿でも、思い返してみると企業訪問の最後の質疑応答の時間で真っ先に手を挙げるのは中国人留学生。日本人学生(というか自分)は教授に当てられてから渋々質問を捻り出す状態。中国人留学生は半分が大学院生というハンデはあったかもしれないが、それでも、少なくともその場に居た日本人学生(というか自分)からは、遠慮という日本人の弱みが見て取れたように思う。悟り世代という言葉が少し前に流行ったが、シティスーパー本部にて荻野さんが仰っていた、「香港にいる日本人は起業出来ないんじゃない、する気がないんだ」という言葉。成程…、妙に納得してしまった。
荻野さんのお話
荻野さんのお話と言えば、中国、香港、日本の違いを知るべしとか、5つの指の話が印象深い。荻野さん曰く、中国人と日本人がビジネスをする際、言語や食事、その他諸々の差はあるけれど、この両者が一番噛み合わないのが「法令遵守の意識」だという。
ビジネスの世界でこの「法令遵守の意識の差」がやはり存在するならば、日本企業はあらゆる可能性(法律、制度の抜け道)を想定し戦略を立てなければならないし、これまで単純にどうやったら売れるかとかどういう商品が求められるかとか、そういった次元で考えていたとすれば、中国市場でコテンパンにやられたという過去の失敗も頷ける。荻野さんの言うビリヤード方式(香港を経由して、香港人との合弁企業を作り中国に進出する)は、日本の企業にとってとても有効な手だと感じるが、それをやろうとしないのは日本企業の傲りなのか、それともやはり別の問題があるのか、はたまた方法自体が浸透していないのか、ちょっとまだ疑問な所です。ただ、逆に、法律スレスレで事業をやってる日本のブラック企業ならば、ビリヤード方式無しでももしかしたら中国市場で渡り合えるのでは、とも思いました。