「調達とベンチャー企業訪問」
午前中は3年生に付いて周り、学園祭で販売する物を調達しにホテル近くの市場へ行きました。私は院生の方1人と共にアクションカメラ班に同行。そこら中で大小様々なドローンが飛び、電飾がひかり、あらゆる電子部品がそこかしこに並ぶ、という市場がいくつもありました。「これは一体何に使うのだろう」の連続でした。
前日に訪れたセグメーカー様の下にある市場や、そのお隣を散策し、値段と品質の吟味を繰り返して調達するアクションカメラを探します。値段は300元(約¥5,000)代から100元(約¥2,000)代を提示されました。100元以下はありえない値段設定だと言われます。本物と偽物どちらが欲しいか、と問われる場面もありました。最終的に交渉を繰り返し、98元がこの日の最安値提示であり、再検討することになりました。
3年生は別途コンパクトな防犯カメラも面白い写真が撮影できそうと興味をひかれた様子でした。院生の方によれば値段交渉は「向こうの店ではもっと安く売ってたよ!」から入ると大体応じてくれるらしいです。様々なお店で交渉すると300元代は高く提示されているな、と感じたり、100元以下は提示してくれないな、とわかるようになります。画質が4Kと表記されていても実は2Kであったり、広角が価値の1つであるアクションカメラなのに広角ではなかったりと、偽物も素知らぬ顔で売られていたりします。目を鍛えられ、明日以降はもっと良い調達ができそうです。
午後は「Insta360」様を訪問。スマートフォンに取り付ける小型カメラやVRと連携できるカメラをつくっています。360度写真が撮れたり、自撮り棒がないように撮影できたりします。facebookが推奨するカメラであり、ナショナルジオグラフィック(ドキュメンタリー)やライブ配信などで採用されています。
競合他社と比べて競争優位は以下です。
1)新製品を出す速さ。1年に4個新製品を生み出せます。
2)価格。nanoという製品は約2万円、サムスンは約3万円です。低価格で4kや8kといった高画質撮影ができる製品をつくっています。
偽物に関しては、1万5,000円程で実際に販売されているようです。ただし質が悪いです。真似される製品とはそれだけいい製品、世の中に知られ、影響を少なからず与えている製品になったと捉えているそうです。
対象顧客は、個人(nano)であれば「旅行者とライフスタイルに溶け込ませたい人」。oneは、技術が好きな人向けで、そのうち激しいスポーツをする人向けに考え、多くは男性を顧客として設定しているようです。(女性に需要がありそう、と思ったのは私だけではないはず。)
そして働いている人材がとにかく若いです。私達を案内してくれた女性は私と同い年くらいであり、製品紹介をしてくれた方は女性の若い営業部門の方でした。200人くらいの集団で、半分くらいが若いエンジニアです。平均年齢が26歳だそうです。実際のオフィス内も本当に若く、私と同じかそれより若くして志をもち、新しい価値を生み出しているとは、焦りを感じます。
創業のきっかけは、創業者が大学3年生の際、普通のカメラではライブストリーミングが180度しか撮影できず、360度の撮影を撮影者が動かずに撮れないか、というところから発案したようです。
オフィス内にはウェブサイトをつくったり、Amazonなどのイーコマース隊もいました。エンジニアや管理部門ももちろんあり、エンジニアは少し年齢の高そうな方、女性の方もおり、机の上で電子部品を組み合わせて基板のようなものをつくっていました。Amazonのデジタルカメラのランキングでベストセラーになっているそうです。
技術と、どうやって使うかをセットで売る、ということがポイントとしてあり、物だけでは売れず、プラスの価値としてどのような、顧客がまだ知らない使用方法や価値を提案できるかが大切とわかりました。