商品企画の実態

深圳で上図の①~⑤市場を調査した。 

  1. 賽格電子市場(9月2日)  

最初の市場見学として訪れたのは賽格電子市場。上の階にはSegMakerも入っているビルになる。素人では何に使われているのか全く分からないような細かい電子部品が沢山並んでいた。アクションカメラは3、4階にあったがアクションカメラを専門に販売している店舗は少なく、取り扱っている店舗であってもアクションカメラは端の方に陳列されている感じで、思っていたほど数はなかった。アクションカメラを探している際に防犯カメラ用に作られた360度カメラを見つけた。実際に撮影させてもらったが、360度カメラにしか撮れない一味違う動画を撮ることが出来そうだと感じた。元々は防犯カメラだが、見た目がシンプルでサイズもコンパクトで軽いため、普通の遊びに使うカメラとして販売することも選択肢に入れることとした。  

  1. 華強電子世界(9月2日)  

次に訪れたのは私たちが宿泊した華強広場酒店の目の前にある華強電子世界。ここは賽格電子市場よりも建物自体が小綺麗で、売っている商品も部品よりは製品の方が多く、家電量販店のような場所という印象。ここはアクションカメラを取り扱う店舗が多くあった。直接交渉を始めると、まず4Kで画質が良いことをモニターにつなげて見せてもらえ、その店舗のおすすめを紹介してくれた。おすすめの商品の値段は大体300元代。こちらが品質を下げてもいいから値段の安いものが欲しいと言うと、4Kだがパソコンに接続できないなど、どこかに問題がある商品、もしくは1080pで画質が劣るものを紹介された。それらは明らかに画質が落ち、たとえ4Kと書かれていても1080pと何ら変わらないクオリティーだった。店舗によっては本物と偽物のどちらがいいか聞かれ、4Kではないが4Kと表示されたカバーに付け替えてあげると提案される場面もあった。アクションカメラはオープンモジュール化されているようで、本体の見た目、機能、パッケージまでどの店舗でもほとんど同じだった。この日は低クオリティーの商品をどんなに交渉しても値段は想定よりも倍以上になってしまった。  

(9月3日)  

再度、華強電子世界を訪れたが、選択肢の一つに入れていた360度カメラがワイヤレスでの使用が不可能でコンセントがないと撮影できないことが判明した。そのため360度カメラは断念し、アクションカメラ一本に絞ることとなった。  

2日に最安値で交渉していた店舗へ行くと、2日連続で来たということもあってか割とすぐに値段を5元安くしてもらえた。しかし、もう一度そのカメラを撮影させてもらうタイミングで広角レンズでないことに気付いた。2日の交渉の際に見せてもらったカメラも同じカメラだったかもしれなかったが、画質に気を取られていて広角であることに注目しておらず気が付かなかった。広角でないと、もともと狙いとしていたフォトジェニックな写真の撮影は難しくなる。ここにきて、広角という魅力を捨てて低価格や小さく可愛らしいカメラとして販売するのか、アクションカメラ本来のフォトジェニックな写真が撮れることにこだわり価格を少し上げるのか、再度検討することになった。  

③名称不明(9月4日)  

他の市場でもう少しアクションカメラを探してみることにした。ここは④国際電子城に行く途中に立ち寄ったが、ここはハンドスピナーなどの小物が多い印象。アクションカメラも多く、付属アクセサリーを付けないことを条件に今までの最安値で広角レンズのカメラを見つけることができた。このカメラを第一候補にし、もう少し安いカメラを探すことにした。  

  1. 国際電子城(9月4日)  

ここが今までの市場の中でアクションカメラの取り扱う店舗が一番多かった。ここでSOOCOOというアクションカメラのブランドの店舗があった。おすすめされた商品はそれまでと段違いにきれいな画質で、店員も品質には自信を持っているようだった。ただ、どの商品も高く、そしてカラーバリエーションもない。そのお店の中の一番安いモデルを聞くとSOOCOOのロゴが入っていないものを提案された。パッケージはそれまで見てきたアクションカメラと変わらないが、部品をSOOCOOの工場で生産しているらしく、確かに画質は低価格にしては申し分ないものだった。価格は日本で想定していたものよりかなり高くなるが、マイクロSDカードとのセット販売から別売りにするなど販売方法を工夫することで値段の問題はクリアできるのではないかということと、何より心から人に薦められるクオリティーだと思い、この高画質、広角レンズ、Wi-Fi接続可能、4色のカラーバリエーションが強みとなるアクションカメラ(140元)を調達することに決めた。また、国際電子城の中の店舗で8GBのマイクロSDカード(20元)と三脚(2元)も購入した。  

⑤名称不明(国際電子城の隣)  

防犯カメラを中心に取り扱っている市場。よく日本で見かけるような防犯カメラや可愛らしい見た目のもの、危ない目的に使うのではないかと思われる小さいカメラまで、様々な防犯カメラが所狭しと並んでいた。