渡邉ゼミの活動
我々、渡邉ゼミは、中国を主とする新興国企業の戦略の経済分析という研究テーマのもと、①新興国における企業の戦略を学ぶこと、②現場でのフィールドワークを必ず行うことを原則に活動を行ってきた。
そして、その中で、今年三年生になる我々は「深圳とアリババで商品を調達し、大学生活を豊かにする」という活動テーマで、実際に世界の工場を利用して、商品を企画し、販売するというプロジェクトをゼミ生が複数の班に分かれ進めてきた。商品企画にあたって求められることは、ターゲットとする消費者像を正確に想定し、彼らの潜在的な欲求にこたえることと、競合商品に対して優越する点を見つけることである。
我々はプロジェクトを進めるにあたり、消費者が誰なのか、その人たちにどのような便益を提供するのかという製品の便益・製品コンセプトを進めるところから始め、コストを管理し、収益の仕組みをつくり、値段をつけるという流れの中、抑えていくポイントを授業で学び、そこで得たことを自分たちの商品に反映させていった。
以下は、我々、雑貨班のその活動の結果と分析のまとめである。
雑貨班の活動経緯
我々、雑貨班は、渡邉ゼミの活動方針にある「大学生活を豊かにする」を基本テーマとして、活動を進めてきた。主な活動として、まず、第一に、上記のテーマに対して、「大学生活を豊かにする」とはなにかという疑問を抱き、その疑問に対する自分たちの答えを出していった。上記の疑問に対して、我々は「学生生活と言えば、勉強は欠かすことが出来ないものである。つまり、勉強環境の改善が学生生活を豊かにする」という解答を導き出した。そのため、我々は「勉強環境の改善」を基本テーマとして、そのテーマのもと、商品選択をしていくこととした。
そこで、我々は商品の第一案として、プラスチック製のタンブラーを選択した。理由は、商品の販売時期が大学祭ということから、季節上、温かい飲み物が多く売れ、尚且つ、それを長時間保存できるタンブラーに需要があると考えたためである。また、この商品の競合相手として考えたスターバックスコーヒーが販売している鉄製のタンブラーと差別化する目的で、あえて、プラスチック製のタンブラーを選択することで、保温性を代償にプラスチックとゴムの間に用紙を挿入することが可能なタイプの商品を販売することが出来、消費者一人一人、オリジナルのタンブラーを作ることが出来るという差別化を図ることが可能となった。しかし、この商品選択には、誤算があった。購入を予定していたサイトに、我々が求めていたプラスチック製のタンブラーが存在しなかったのだ。そのため、我々は自分たちの商品選択に大きな見直しをしなくてはならなくなった。
そこで、我々が第二案として、提案したのは文具である。この商品を選択した理由として挙げると、まず、第一に我々のテーマである「勉強環境の改善」に適していること。そして、第二に安値で仕入れることが可能であったため、圧倒的安値で販売することが出来、他の商品と値段の面で差別化が出来るという理由があったからだ。しかし、この商品にも、大きな誤算が隠されていた。我々は、左図のような商品を選択し、先ほど述べたサイトでも商品を発見していた。しかし、ここで大きな問題が発生した。注文先が中国であったため、商標権や著作権が曖昧になっている可能性が出てきたのである。そこで、我々は、学習院大学のイメージマスコットキャラクターのさくまさんを使用させていただけないかと交渉したが、営利目的でのさくまさんの使用は認められず、結果、我々は文具を断念することとなった。
二つの商品を諦めざるを得なくなってしまった我々は、ここで、「大学生活を豊かにする」とは、なにかという疑問に対して、再度、考え直すことにした。そして、考えた結果、「学生生活と言えば、部活動に所属する生徒が大半である。そして、部活動と言えば、部室を利用する生徒が多数存在する。つまり、部室の環境を改善することが学生生活を豊かにする」という解答を出した。そして、「勉強環境の改善」というテーマから「部室環境の改善」というテーマに変更し、再度、商品選択をしていくことにした。
そこで、第三案として、我々が選択したのが多機能ストレージボックスである。この商品は、二つの商品を断念することになってしまい、苦し紛れで提案した商品だったが、「部室環境の改善」という点では、かなり有用な商品であったのではないかと考えている。
このゼミ論の著者も部活動に所属しており、部室も多く利用しているのだが、部室に行くたびに感じていたのは、所属している部活の特色もあってか、書類が多いという印象だった。
そのため、それらを整理することを可能にする多機能ストレージボックスが我々のテーマに合致すると考え、販売案として提案した。しかし、苦し紛れの案がうまくいくはずもなく、この商品には大きな弱点があった。それは、大学祭で販売するには明らかに適しておらず、また、競合相手として挙げていた百円均一ショップに価格の面などで勝てる見込みが一切ないということである。結果、我々は、第三案も諦めることとなり、商品案が決定されないまま、ゼミの研修で中国の深圳に向かうこととなった。商品案も決定していないにも関わらず、深圳に訪れたとしても、収穫などあるのか。そんな不安が我々を襲っていた。しかし、そんな心配は杞憂だった。深圳に実際に到着し、街内を見て回ると、多くの商品を見て回ることが出来、今までの悩みが嘘のように商品案がたくさん出てきた。そうして、深圳で決定したのが、最終案であった。