分析

分析 

 分析上の問題は、なぜ、予測とは全く逆の結果が出てしまったのかというところに尽きるだろう。まず、購買意欲を刺激すると考えていた商品が刺激することが出来なかった理由を考えていき、我々は二つの結論に至ることとなった。ライトニングケーブルは既に各個人が所持しているため、大学祭でわざわざ買う必要はないと考えたのではないかというのが第一の理由である。また、第二の理由として、USBポートの口を多くしたことによって、価格が上昇してしまい、消費者の購買意欲を減少させることになったのではないかというものだ。また、USBポートは部室で使用するために部費で購入されることを想定していたが、部費で購入するためには部活内で同意を得る、手続きをするなどが必要となり、学祭期間という短く忙しい期間で購入することは難しかったのではないかと考えている。 

そして、その逆に、なぜ、購買意欲を刺激しづらいと考えていた商品が刺激する結果となったのかを考えてみると、こちらも二つの結論に至ることになった。まず、第一にiRingは、大学生がライトニングケーブルと比べると、あまり所持しておらず、尚且つ、競合相手との値段の格差を創出することが出来ていたため、購買意欲を刺激することが出来たのではないかと考えている。次に、ネックストラップは、携帯電話というよりは、たまごっちなどの小型の携帯ゲームに装着することに適していたため、小学生や、子供のいる世代に受けたのではないかと予測している。実際、ネックストラップを購入した小学生が小型ゲーム機に装着している姿もしばしば見られた。 

 

 

価格設定に対する考え 

上述により、ネックストラップとiRingに関しては、安さが購買意欲を刺激した最大の要因であると考えられるため、価格設定は適切だったのではないかと考えている。また、ライトニングケーブルに関しても、iPhone版のケーブルがほぼ完売であった為、価格設定は適切であったと考えている。しかし、価格設定が適切であったにもかかわらず、Android版の売り上げは予想以上に伸び悩むことになった。この理由としては、ライトニングケーブルという商品名がそもそもアップル製のiPhone用充電ケーブルを指しているため、Androidユーザーの反応が鈍くなってしまったのではないかと予測している。現に、大学祭の最中にライトニングケーブルという表記からUSBケーブルという表記に変更したことで、売り上げが上昇する結果というデータを得ることが出来た。 

それに対して、USBポートは、価格とユーザーが実際に使う口の数を考えると、口を減らし、低価格な商品を提供するべきだったと考えている。慶應義塾大学の学生との共同発表の際にも、口が多すぎて、そんなに使わないという意見をいただくことが出来た。 

 

 

我々の反省 

実際に商品を販売した反省としては、学生が部室で充電することが多いということに気付くことが出来たまではよかったのだが、逆に、そこまでしか思考が及ばず、日常的に充電するのであれば既にキャリアや市販の充電器でほとんど需要が満たされているのではないかということにまで思考が追い付かなかったことが最大の敗北原因だったと考えている。 

また、大学祭で販売される他の出店の商品が概ね低価格帯であることに対する認識が不足しており、尚且つ、大学祭自体が日常的な実用品を販売する場所として、あまり適していなかったことも敗北の理由と考えられる。 

 

慶応義塾大学との共同発表会で得た反省 

 慶應義塾大学との共同発表会にて、多くの反省点を発見することが出来た。まず、第一に、我々の反省として挙げた日常的な実用品を販売する場所として大学祭自体が適していなかったという反省に対して、大学祭だから利益率が上昇しなかったのではなく、我々のマーケティング不足だったのではないか、また、普通のフリーマーケットとして販売するのではなく、深圳という特徴を強く押し出すべきだったのではないかという意見をいただいた。 

また、大学祭と市場との価格設定の方法は全く違うのにもかかわらず、安易な価格設定をした我々の価格設定が妥当ではなかったのではないかというご指摘もいただくことが出来た。この指摘は、競合相手に対して、圧倒的な安さという差別化を創出することが出来ていたと考えていた我々にとって寝耳に水な指摘だった。 

最後に、商品選択の時点で、なぜ、周囲の出店が自分たちの選択した商品を選択せずに他の商品を販売することにしたのかを考えて、商品選択をするべきだったのではないかという指摘を受け、自分たちの商品選択の甘さを痛感することとなった。